特別支援・福祉カタログ Vol.7
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〈Interview〉インクルーシブ教育の未来特集2多様な背景のある人々が互いに尊重し、支え合う関係多様性という言葉がますます浸透してきた令和の時代。教育の現場においても、障害の有無や人種、性別などの違いも受容し、尊重する姿勢が求められます。そのような背景の中、提唱されている「インクルーシブ教育」について、特別支援学校での経験を経て、文部科学省特別支援教育調査官としても活躍し、今では東北福祉大学で後進の育成に努める大西孝志教授に語ってもらいました。日本の障害者教育は、特別支援学校や特別支援学級でのサポートが充実してきたことにより、一定の成果を出しているといえます。しかしより多様性が謳われる現代において、学び場でも障害の有無で分け隔てなく、お互いを尊重できる場をつくり上げることも求められているでしょう。そのような観点で、「インクルーシブ教育」の第一人者である大西教授はどのように考えているのでしょうか?東北福祉大学 教育学部 教育学科 教授大西 孝志北海道札幌市生まれ。1987年東京学芸大学卒。北海道立の特別支援学校(聾学校)教諭、道立特殊教育センター研究員などを経て、2010年文部科学省特別支援教育調査官に就任。2015年より東北福祉大学教育学部教授。ろう教育科学会編集委員。―「インクルーシブ教育」について、一般的にはまだ馴染みが薄いテーマかもしれませんので、先生のお考えになるインクルーシブ教育の定義や目的をお聞かせください。インクルーシブ教育とは、英語の「インクルーシブ(Inclusive)」が意味するように、「含む」「包括する」教育です。障害の有無、人種、文化、性別、言語、あらゆる違いを持つ人々を受け入れ、排除することなく共に学ぶことを目指しています。人のPROFILE

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