日陶科学 保健カタログ 2024・339号
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とダイレクトなコミュニケーションができるようになったことは大きな進歩です。例えば保健委員会やクラブ活動の招集などでは一度に複数の生徒を呼び出すことができ、文化祭で模擬店など衛生管理が必要な出し物に関して代表者に衛生面での対応を確認する場合など、個別に生徒を呼び出す場合もあります。昔なら担任に連絡を取って呼び出してもらったり、校内放送で呼び出しをかけるという手間をかけていたことが、今はスピーディにつながることができ、私自身の業務の効率化はもちろん、間に入ってもらっていた先生方の手間も省くことができるようになりました。ICT化で生徒・教員とのコミュニケーションも可能に 養護教諭の私にとっても、学習ソフトのメッセージ機能が生徒や教職員との連絡ツールに使えるようになり、生徒学びの環境だけでなく校務のICT化も進展 学習環境のICT化の進展に伴い、最近は「校務DX」という言葉も聞かれるようになりましたが、私が入職した当時から、学習環境と併行して校務のICT環境は整備が進んでいました。例えば生徒の学籍管理や成績管理ができる「SCHOOL AID(スクールエイド)」※1という教務支援システムが導入されており、生徒情報の共通基盤として活用されています。ほかにも「e-スクールweb」※2というグループウエアの「回覧板」や「掲示板」の機能を活用し、職員室に行かなくてもオンタイムの情報共有が可能でした。 これに加えて、校内のファイルの一元管理ができるクラウドのストレージサービスも導入されており、全員の公開情報だけでなく、保健室だけとか、教務だけなど、個別のアクセスもできるので限られた人との情報共有も可能です。生徒たちの学びの環境と歩調を合わせて校務のICT化を進めていた点では、本校は一歩進んでいると感じました。※1キヤノン電子テクノロジー株式会社が提供するパッケージソリューションです。※2株式会社アクセス情報テクノロジーが提供するグループウェアです。コロナ禍によりICT化に拍車 生徒に1人1台のタブレット端末の利用が始まった2021年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大による日常生活への影響が続いていた時期です。生徒が発熱を伴って体調を崩してしまうと一定期間自宅待機を余儀なくされますが、自宅に持ち帰ることができるタブレット端末の利用が始まったことで、学校と同じようにWebソフトウェアを活用した自宅学習ができるため、自宅待機になっても学習の遅れなどへの不安が軽減できたと思います。「Classi」「ロイロノート」「スタディサプリ」「Monoxer」といった、さまざまな学習ソフトが活用できるようになり、学習ソフトを通した学習課題の送信や保護者への連絡も取れるようになったことで、教職員の負担軽減に貢献したのではないでしょうか。 また、コロナ禍により教職員の在宅勤務という状況が余儀なくされる事態となり、生徒だけでなく専任教員にもサブツールとしてタブレット端末の利用が始まったことで、ICT活用がさらに進展したように思います。コロナ禍での在宅勤務はもちろん、会議資料や保護者・生徒への配布文書のペーパーレス化も一気に加速し、業務の効率化につながったと思います。来室管理システムの導入で養護教諭の業務を効率化 さらに、養護教諭の業務の効率化に大きな役割を果たしているのが、生徒の「保健室来室管理」のICT化です。養護教諭が日々行っている保健室への来室記録は、その場の対応にとどまることなく、その後の活用においても大変重要なデータとなります。しかし、年間を通した来室生徒の延べ人数は膨大であり、手書きで記入したものを統計資料の作成のためにExcelに入力するという昔のやり方では、とても業務時間内に収まる作業量ではありません。近年は養護教諭の業務も多様化しており、限られた時間内で生徒と向き合う時間を作り出すためにも、来室データを効率よく管理し、簡便に情報化できるシステムは、生徒への対応時間を増やすためにも必要不可欠なものといえます。 本校が導入したのは、生徒の発育管理(身体測定・健康診断・体力測定)、健康管理(来室記録、欠席記録、保健相談、健康観察)、日々の保健活動報告など多岐にわたる業務をサポートしてくれる、学校保健に特化した学校保健総合管理システム「診るルン」です。 これを用いた「来室管理」の特長は、必要となる来室・退室時間や来室原因など主要な項目がほとんど網羅されているため、各項目に入力するだけで来室記録として必要な情報がまとめられる点です。最後に保健日誌としてまとめ管理職に提出することができます。校務支援システムにも同様の機能があるのですが、やはり教務関係が主体となるN15

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