七宝焼きの作り方と技法
◆準備する道具
準備 七宝素材(素地)、枠金具、サンドペーパー、スチールウール、ウエス、バット、希硫酸、重曹、ピンセット
施釉 七宝絵の具、裏引き絵の具、CMC、ホセ、筆、作業板、七宝ヘラ、ホセ洗い用カップ、絵の具容器
焼成 七宝電気炉、焼き台、焼き金網、ピンセット、耐熱板
仕上げ ヤスリ、グラインダー、接着剤

◆作業工程
1.はじめに・・・
■施釉が完了したらすぐに焼成できるように作業に取りかかる1時間程前に七宝電気炉の電源を入れておきます。 ■絵の具は使用前に十分に水洗い(4〜5回)をして不純物を取り除いておきます。透明釉は特に注意してください。

2.素地を準備する
1.使用する銅板の酸化による黒ずみや汚れを落とします。スチールウールやサンドペーパーで両面を磨き
  手の脂肪分が付着しないようにウエスできれいに拭いておきます。
2.また、素地の傷や汚れがひどい場合はワイヤーブラシ等を使用します。
3.素地を希簿な酸(3〜5%の希硫酸)に5分程度つけた後に作業を行うと効果的です。
注)この時、酸の取扱いには十分に注意してください。また、酸洗い後は素地を重曹で中和します。
  さらに使用後の酸も重曹で中和してから捨てます。

3.施釉
1.素地の裏面にCMCを塗ります。
2.ホセを使用して裏引き絵の具を約1ミリ程度の均等な厚さに塗ります。
3.盛った絵の具は水分をたくさん含んでいます。吸水布やティッシュペーパーで水分を取り除きます。
4.昇温中の七宝電気炉の上で裏引き絵の具を乾燥させます。
  ※裏引き絵の具を施さないと焼成時における
   絵の具と銅板の膨張率の違いから表面に施した絵の具部にひびが入ってしまいます。
5.表面に絵の具を1ミリ程度均等な厚さに塗ります。
※素地の形状がいきるように盛ります。
6.盛った絵の具は水分をたくさん含んでいます。吸収布やティッシュペーパーで水分を取り除きます。
7.七宝電気炉の上で充分に乾燥させます。

4.焼成
1.絵の具を盛った作品を焼成用の金網の上に載せます。
2.七宝電気炉の温度が800℃に達したことを確認したら作品を載せた金網を炉内に静かに入れます。
3.炉内の作品がガラス質に変化したら炉内から作品を取り出します。
※作品の大きさによっても異なりますが3分程度で焼成出来ます。
4.耐火作業板の上に載せて冷却します。
ポイント
■釉薬は約800℃で美しく発色しますので、作品をすばやく入れ、炉内の温度が扉の開閉により下がらないように気をつけます。
  また、入り口に近い所より、炉の奥の方が温度が安定しています。
■炉についているのぞき穴から内部を見れば焼成の具合がわかります。釉薬が黒くなり次第に溶けて、アメのように表面がツルツルした
  感じになってきます。その後、炉内の火の色と作品が同じ色に溶け合ったとき、いそいで作品を取り出します。

5.仕上げ
1.焼成後、作品の縁をヤスリ等で台金具にはまるように仕上げます。
2.作品は接着剤を使用して台金具に取付けて完成です。

6.完成

七宝焼きの技法と種類
 
 
1.単色七宝   2.多色七宝   3.マーブル七宝
一種類の釉薬だけを使用する七宝の基礎となる最も簡単な技法です。釉薬の下準備から仕上げ完成まですべての七宝技法に通じる基本です。初心者の方は、この単色七宝を完全にマスターすることをお薦めします。   素地板に対して二色以上の釉薬を使用する技法です。
色・柄・デザインなど工夫し釉薬を盛りつけていくことで単色七宝とは違う新たな味わいが出ます。
  何種類かの釉薬を盛りつけて、炉の中で釉薬が溶けた時にマーブル棒などで軽く表面をかきまぜる技法です。素地板にベースの色を塗り、その上にいろいろなフリットをのせて焼成し、マーブリングする方法もあります。
 
 
4.フリット七宝   5.彫金七宝   6.噴釉(ふんゆう)七宝
素地板にベースの色を塗り、その上にフリットを置き焼成する方法。一度焼成した上にフリットを置く場合は、ノリ水をつけるか、ベースと同じ上薬薬を少しのせ、その上にフリットを置いて焼成すると美しい出来上がりになります。   彫金された素地板に釉薬を盛りつけて焼成する技法です。おもに透明釉、窯変釉を用います。彫金技法を習得すれば自分だけの彫金七宝が楽しめます。   ベースとなる不透明釉薬を盛り半焼成し、その上に透明釉薬を薄く盛り焼成する技法です。ベースとなる不透明釉薬は、白、薄クリーム、グレーなど比重が重く、流動性のあるものが適しています。
 
 
7.描き割り七宝   8.ビーズ七宝   9.窯変七宝
ベースとなる色(あとで線になります)を下地焼成します。120〜140メッシュほどの釉薬にノリ水を加え、上地として盛り、乾燥させてから描き割り棒で模様を書きます。描き割った線の上に釉薬が残らないように息を吹きとばしながら描き、焼成します。   ベースとなる釉薬を盛りつけた後、ピンセットで無穴のガラスビーズを結う薬に埋め込むようにのせ、焼成する技法です。   彫金された素地板に窯変釉薬か不透明釉薬をベースに盛り焼成する技法です。不透明釉薬の場合はごくうすく盛ります。窯変は、850〜950℃前後の高温で焼成することにより発色の変化が楽しめます。彫金の凹凸に沿って釉薬をのせていきます。

10.転写七宝   11.有線七宝   12.平脱七宝
素地板に釉薬を盛り焼成した上に、転写を張りつけ乾燥させ焼成する技法です。初心者の方でも簡単で素敵な仕上がりになります。   デザインに沿って金属線(金・銀・銅等)をカットし、線で囲まれた部分に釉薬を盛り焼成する七宝焼きの代表的な技法です。   ベースの色を素地板に盛り焼成し、銀箔をカットし張りつけ、その上から透明釉薬を盛り付け焼成する技法です。
         
 
 
13.銀板七宝   14.サンドブラスト(砂うち)七宝   15.いぶし七宝
銀板の素地板に釉薬を盛り焼成する技法です。
※赤、ピンク系ゴールド系の釉薬を使用する際には、銀張透明釉(S-302)で下引きしてから使用してください。
  素地板に釉薬を盛り焼成します。その上にマスキングテープを使って、砂うちしたい部分と、下地をそのまま残す部分をデザインして、エアショットブラスト(圧縮エアを利用して研磨剤を吹付ける加工機械)でガラスビーズを吹付けます。マスキングされていない部分は、すりガラス状になり、マスキングテープをはがして完成します。   素地板に釉薬をところどころに盛り焼成し(部分七宝)、いぶし液につけ着色後、水洗いして仕上げます。釉薬のついていない部分がいぶしがかってオシャレな作品になります。


 

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