日陶科学_特別支援・福祉カタログ2021
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しやすいのは高齢者に加え、糖尿病・高血圧、ぜんそくや心臓病などの持病を持っている方だということです。 では、子どもについてはどうでしょう。子どもの感染の多くは家庭内で起きており、親御さんにとって子どもの感染状況は気になることだと思います。現状、子どもの感染については、大人に比べ重症化、死亡する確率は低く、多くは軽症、無症状で済んでいるようです。ただし、軽症・無症状が多いことで感染が見逃されてしまっている可能性があり、感染のしやすさについては子どもも大人と同じだと厚生労働省が発表しています。 また、発熱や乾いた咳などの症状は大人の感染者と同じですが、大人の症状で報告されている嗅覚や味覚の異常は少なく、鼻水や鼻詰まりなどの症状も少ない傾向にあるようです。中には嘔吐や腹痛、下痢などの症状も報告されています。 現在、感染した子どもの症状については、世界中からさまざまな報告がされており、欧米では血管に炎症を引き起こす「川崎病」※1に似た症状で、心臓の動きが悪くなるなど深刻な症例もあります。日本ではまだそのような例は稀ですが、今後も現れないという保証はありません。引き続き世界の症例報告を注意深く見守る必要があります。 その点では、本誌をお届けする特別支援学校・学級の生徒の皆さんも、持病がある方や、不調を言葉で伝えられない方がいることでしょう。それゆえ先生方の健康管理における配慮は、並大抵のことではないと思います。 現在、学校で実施されている感染症対策には、登校時の検温や健康状態の確認などがありますが、呼吸器の不調が見られる場合には、検温とともに「パルスオキシメータ」の使用も役立ちます。新型コロナウイルス感染症では、大人の感染者の中に目立った症状が現われないまま、急激に重症化するケースが相次いで報告されています。もし、子どもにもこうした状況が起こった場合、軽い咳でも呼吸器の機能は急激に低下している可能性があります。「パルスオキシメータ」を用いることで、呼吸器の異常が数値で判断できることは安心につながるのではないでしょうか。 さらに、もともと心臓や呼吸器に持病がある生徒さんであれば、「パルスオキシメータ」で心拍数とSpO2(酸素飽和度)の変化を定期的に記録することで、異常に気付く手掛かりとなるでしょう。 「パルスオキシメータ」はさまざまなタイプのものが市販されていますが、子どもの指のサイズに合わせて計測でき、装着後に外れにくい工夫がされているものが理想です。使用の際には接触部のアルコール消毒を怠らないよう十分配慮してください。 子どもは軽症、無症状が多いと言いましたが、持病があると重症になるリスクが高くなるのは大人と同じです。例えば小児ぜんそくなど呼吸器の持病を持ったお子さんは注意が必要ですし、ほかにも子どもの病気はさまざまな種類があり、それに応じてリスクや対応が異なってきます。特に2歳未満の乳幼児は比較的重くなる傾向があるといわれているので、周囲の大人は注意する必要があります。自覚症状の乏しい不調にパルスオキシメータで備える 現在、新型コロナウイルスに関する情報は、インターネットやテレビを中心に溢れています。しかし、中には科学的根拠(エビデンス)のない情報も多く、正しい情報を見極め有効な対策で日常生活を!特 選 品N02http://www.nittokagaku.com/

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