特別支援・福祉カタログ　vol.4

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N03特選品とは酸素の量ではなく酸素濃度を示すものです。酸素は、赤血球の中に存在するヘモグロビンと結びつくことで、全身に運ばれていきます。100％の酸素飽和度とは、1gあたりのヘモグロビンと結合している酸素が1.34ccの状態であることを意味しています。例えば酸素飽和度が70％だと、1gあたりのヘモグロビンは1.34cc×0.7の量の酸素しか運べていないということになります。また酸素飽和度が100％に近い高い値を示したとしても、貧血状態（赤血球の数が少ない、ヘモグロビン量が少ない状態）では体に送られる酸素量は十分ではなくなりますし、心不全のように心臓から送り出される血液量が少なければ、たとえ酸素飽和度が100％に近い高い値を示したとしても、全身に運ばれる酸素量は少ない状態であることになります。　意識レベルが低下している（脳に十分な酸素が届いていない）、脈が触れづらい（十分な血液が心臓から送り出されていない）場合は緊急性が高く、パルスオキシメータを装着する前に蘇生をするかしないか判断する必要があります。生きて行くうえで必要な十分な酸素が体に送られていないことを確認し、蘇生が必要と判断したら、ためらわず蘇生を開始してください。ＡＥＤを準備、装着してください。機械の指示に従い勇気を持ってショックボタンを押してください。また周りの方と連携しすぐに救急車を呼んでください。　学校でパルスオキシメータを使う場合、次のような使用方法を提案したいと思います。　まず、蘇生が必要な子どもには、パルスオキシメータの使用を考える必要はありません。　意識が明確にあり、脈を触れられる状態の子どもが、体調不良を訴えた場合や顔色が悪い場合には、パルスオキシメータを使用する前に、意識の確認、脈の確認（血圧も含む）、症状の確認を行いましょう。しかし、状態の確認と同時にパルスオキシメータを用いることは、決して悪いことではありません。救命を急ぐ必要があるかないかを判断する一つの材料になり得ます。パルスオキシメータがきちんと装着され、信頼しうるデータが示され、98％未満の数字が出た際には、何か問題がある可能性を考える必要あります。医療機関の受診を勧めても良いと思います。さらに低い数字を示した際には急いで医療機関を受診する準備を進めることが重要です。パルスオキシメータの使用は、体調が悪い児童・生徒を評価する一つの方法として考えていただければと思います。ーパルスオキシメータの的確な使い方とは。大濠こどもクリニック福岡市中央区大濠1丁目3番5号　サンリッチ大濠2F　http://oohorikodomo.com/大濠公園のすぐ隣にあるクリニック。心臓病をもつお子様、心臓病が疑われるお子様の「かかりつけ医」となることを目的に開業。福岡市立こども病院での週1回（月曜日）の診療は継続し、学会にも積極的に参加するなど、循環器疾患を得意とする専門性の高い小児科クリニックとして、福岡市立こども病院のサテライト機能も果たし、小児科医療の発展にも尽くしている。パルスオキシメータは、血液の酸素供給が正常に行われているかどうかを、リアルタイムで測定できる医療機器。主に医療現場でのスクリーニング、診断、経過観察、自己管理など、さまざまな目的で利用されています。利用例（医療分野）◎病院内での各種判定・バイタルチェック・　スクリーニング（老人保健施設も含む）◎検査時のモニタリング◎呼吸リハビリテーションのリスク管理◎睡眠時無呼吸症候群（SAS）の　スクリーニング計測できるもの動脈血酸素飽和度と脈拍数です。動脈に含まれる酸素飽和度（サチュレーション）を測定します。その測定値をSpO2(エスピーオーツー)と呼びます。赤血球の中にあるヘモグロビンと結合して運ばれる酸素が、実際どのぐらいの割合で運ばれているのか判断することができます。数値の目安について健常者のSpO2は、おおむね96～99％。90％を切ると(急性)呼吸不全と判断されますが、平常のSpO2値から3～4％低い場合でも何らかの急性疾病を引き起こしている可能性があります。体温も個人差があるように、SpO2値にも個人差があります。パルスオキシメータの基礎知識